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茶室巡礼《小林一三、三代木津宗詮》 [建築&アート情報]

お花教室につくる茶室のプレゼンテーションに備え、大阪近辺で茶室の見学にいってきました。まずは近代数寄者の小林一三の邸宅“雅俗山荘”にある3つの茶室、“人我亭”と“費隠”それに“即庵”です。各々大きさも勝手も室礼も全く異なる3茶室を一度に見比べられる贅沢な場所です。
岡田孝雄(武田五一のお弟子さん)設計人我亭は奇をてらはないオーソドックスで使い勝手の良さそうな2間続きのお茶室。一家に一茶室なら偏固でないこういう機能的な茶室もありかもしれません。一方、京都から移築された近衛文麿が名付け親の費隠は奥行きの浅い室床をもつ2畳のコンパクト茶室。数寄をつきつめたい人用のセカンドカー的な茶室でしょうか。
最後の即庵は畳の周りに椅子を配した立礼用の茶室。大変珍しい茶室ですが素材のバランスが良く実験的ながらフォトジェニックな茶室。椅子はともかくL型に開かれた間取りは内で宇宙をつくる閉じた茶室にはない良さがあります。和室しかなかった時代には究極に閉じた茶室が非日常的ですが、和室のない閉じられた空間が連続する現代には外部に開かれた茶室も刺激的にうつります。時代や環境に即した茶室が必要だと改めて考えさせられました。
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費隠外観。コンパクトです。
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即庵。手前の椅子部分が写っていないのでわかりにくいですが。。  
久しぶりの小林一三記念館でしたが以前とは全く違った風景にうつり、大変勉強になりました。
逸翁美術館&小林一三記念館

帰りに三代木津宗詮設計の清龍亭を見に四天王寺へ。三代木津宗詮は大阪に本拠地を置く武者小路千家流木津家の三代目で大工の平田雅哉等とも交流のあった大阪の茶文化を牽引した茶人&茶室建築家です。昨年、大阪歴史博物館で回顧展が開かれ、三角形の茶室と長方形の水屋を組み合わせた清龍亭をみて是非直にこの目で見たいと思いきたのですが内部見学はできず。。窓も閉まったまま、雰囲気だけ胸にしまいながら。。          
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下)三代木津宗詮が使用していた高島屋の製図道具。 物として美しい。
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