SSブログ

茶室巡礼2《金森宗和、大江匤+中村外二》 [建築&アート情報]

O-houseの茶室設計にともない、休みを利用して茶室見学にいっています。学生時代に感覚のみで見ていた茶室を改めて見直すと今までとはまた違ったものに見えてきます。知識量やその時々の経験値で見方や見え方がかわってくる。年を重ねる事もそんなに悪い事じゃないようでです。

まずは金閣寺背面の高台にある金森宗和の『夕佳亭(せっかてい)』。茅葺き寄せ棟に大きな口(開口)があけられたキュートな外観です。まさに峠にある茶屋といった趣き。この大きな口から直接土間へ入ります。
土間を隔て正面に南天の床柱を持つ3畳の座敷、左に茶道口。座敷裏に恐らく水屋といった間取りだと思われます。そこへさらに斜めに挿入された+2畳の上段の間がくっついた茶室です。公家との結び付きが強いということで勝手に落ち着きのあるイメージをしていましたが、金閣寺に負けない個性的な意匠になっています。素朴な茶屋の内部に入るとザ・デザイナー茶室。住職鳳林と宗和の遊び心が投影された茶室でした。o-houseの茶室も土間inなので大変勉強になります。
R0014874.jpg
京都岡崎にある細見美術館に併設された茶室『古香庵』。美術館は大江匤の設計で、茶室は中村外二棟梁の遺作になります。6畳2間の広間で、草庵な夕佳亭と比べるとかっちりした書院のようなつくりの茶室です。稽古などで不特定多数の人が利用する茶室はこれ位、節度ある普遍的な意匠の方が使いやすいのかもしれません。
R0014882.jpg
茶室から外をみると。。キャンティの庇が綺麗に岡崎の風景をきりとっています。大江匤の庇と組合わさることで他にはない唯一無二の茶室に仕上がっていました。こちらも土間in。勉強になります。
温かい季節に障子を開け放っての茶事がこの茶室にとって一番の使われ方だと思いました。
R0014883.JPG
細見美術館


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。